私たちは、大学の在り方が大きく問われている状況を踏まえ、本学科が今後 5 から 10 年に渡って目指すべき教育・研究の方向を議論してきました。今後の国際化、社会経済環境の変化、学術・技術の進展を踏まえて、さらに本学科の立ち位置、現状及びカバーしている領域を考慮して以下のように検討しました。ただし、これは確定したものではなく絶えず点検が必要だと考えております。今の社会情勢では 5 年もたたずに大きく見直す可能性があります。私たちは、長期のしっかりしたビジョンは堅持しながらも状況に応じて絶えず変わり続けなければならないと考えています。なお、長期に渡る中央大学及び理工学部の将来ビジョンはホームページ等をご参照ください。
私たちの学科の方向性は以下のとおりです。
(1) 個々の教員が行っている要素技術及び要素的な教育研究の重要性は前提とするが、今後 5 から 10 年はそれ以上にイノベーション及びシステムインテグレーションによる新しい価値の創造とそれをデザインする教育・研究が求められる。
(2) 電磁気、回路、制御、物性、通信、情報といった電気系のコア技術及び基礎教育を重視することによって、他学科との差異を明確にし、ソフトとハードの融合といった学科の強みをさらに育成する。数理に強く現実の事象を取扱いシステム的な志向ができる人材の輩出を目指す。
(3) エネルギーから AI 及び ICT、さらにそれらに関係する社会科学までを教育研究の対象として、イノベーション及びシステムインテグレーションに注力する。例えば、従来の電気系産業のみでなく産業関連波及効果の大きいロボティクス・自動車・航空宇宙・医療産業などとの連携をより深める。
(4) 強化すべき教育研究分野として、社会科学まで含めた、より横断的な取り組みを要するSDGs を扱う分野、AI 及び ICT を中心としたシステムの知能化に関する分野、大規模モニタリングによる予防医学といった医工連携分野、移動体関連のエレクトロニクス化及びロボット化の分野、などを積極的に検討する。ここでも要素技術を前提にしたイノベーション及びシステムインテグレーションによる取り組みがより強く要求されると考える。
(5) 研究論文といった従来の業績評価に加え、学会・産業界からの「信用」という評価を得るための努力を行う。現時点では、ここでいう「信用」の定義も曖昧であり、それに基づいた評価は確定していないが、学会・産業界あるいは社会でのコミュニティにおける「評判」として次第に形成されつつあると考えている。
本学科では、上記の方向性のもとに以下の事項に関してご賛同いただける方とともに教育・研究を進めていきたいと考えております。
① 本学科の専任教員と積極的に協力し、本学科のプレゼンスをともに高めていくことのできる方。5 年を目途に、外部への情報発信、国際的な学会での認知において大きな評価を得る構想をお持ちの方。社会の要請に敏感で的確に対応できる方。
② 電気電子情報通信工学分野における専門的なコアを持ったうえで、さらに異なる専門を持っているか、創り出していく意欲がある方。例えば、電磁気と物性をベースに生命系分野に打って出られる方、エネルギーと制御の双方に強く研究の出口として新しいタイプの安心安全なモビリティの実現を考えている方、など単一の専門でなく広がりを求める方を考えております。また、今までにない新しい研究スタイルを打ち出せる方も対象となります。
③ 学科が必要と考える講義を責任もって担当できる方。今までの専門・実績を考慮しますが学部講義においては電気系の基礎を教えることになります。一方、特に大学院では、変化の速い工学分野での教育に迅速に対応できることも望まれます。
④ 産学連携を積極的に進めることのできる方。都心に位置する後楽園キャンパスを拠点として企業とのコンソシアムを組織化する、企業から持ち込まれた問題を本学科及び中央大学のリソースを活用することによって解決する、などを果敢に実行できる方。
⑤ 健康で明るく協調性のある方。工学分野ですので複数の研究室との共同が基本となります。また、学科としての方向性に従い教育・研究を進められる方。今回は、望ましい方として、電気電子情報通信工学分野に基礎を置き,(3)(4)に関連したイノベーション及びシステムインテグレーション(社会科学との連携、ロボティクス・自動車・航空宇宙産業、・エネルギー・医工連携等)による新たな価値の創造に関心のある方を検討しています。本学科の方向性を理解し、共に協力し本学科のプレゼンスを社会に大きく示せる方を期待しております。
通常の公募では、何々を担当という形で行いますが、今回は応募者と本学科の相乗効果に大きく期待するものであり、応募者の問題意識と私たちの問題意識とのマッチングを優先することを考えています。応募者の業績はもちろん、ご提案される教育・研究の構想に関して大きな関心を持っております。上記の文章および本学科のホームページ、本学科教員の教育・研究をご参照のうえ応募して頂ければ幸いです。特に、応募資料での「教育研究に関する構想」に注目いたします。魅力的な提案を期待しております。
求人内容 Content of job information |
[機関の説明(募集の背景、機関の詳細、プロジェクトの説明等)] 電気電子情報通信工学分野で研究・教育の充実を図る為に准教授または助教(*)を募集します.学生の研究・教育の指導等にも意欲的な方で,本学の教職員と一体となって,本学科ならびに本学に貢献して頂ける方を募集します. [仕事内容(業務内容、担当科目等)] 電気電子情報通信工学科専門科目のコアとなる科目,および学部の卒業研究指導と大学院博士前期課程の授業科目と研究指導 [勤務地住所等] 東京都文京区春日1-13-27 中央大学後楽園キャンパス [募集人員] 1名 准教授または助教(*) ※教授の応募はしておりません. [着任時期] 2022年04月01日 *助教は教授,准教授と同様に研究室を主宰します. |
勤務形態 Employment status | 常勤 (任期なし) |
応募資格 Qualifications |
博士の学位を有する方あるいはそれに準ずる方 博士前期課程の研究指導ができる方 教育・研究および学科運営に熱意を持って取り組める方 |
待遇 Compensation |
【勤務日・勤務時間・休日・休暇】 ・ 勤務日:学年暦による. ・勤務時間:授業担当責任時間は,授業時間一時限100分を基準とし,授業担当責任時間等は本学の規程による. ・ 休日,休暇:学年暦および中央大学専任教員規程による. ・ 祝祭日の授業実施日あり. 【賃金】 ・ 本俸:本学の規程による. ・ 諸手当:本学の規程による. ・ 定期昇給:あり. ・ 賞与:あり. 【退職に関する事項】 ・ 定年退職:満70歳とし、定年に達した学年度末に退職. ・ 退職金: 支給あり. 【社会保険】 ・ 厚生年金,健康保険:本学で加入する. ・ 雇用保険:加入する. ・ 労災:加入する. |
募集期間 Application period |
2021年4月26日~2021年7月14日 必着 |
応募・選考・結果通知・連絡先 Application /selection /notification of result /contact details |
[応募書類] (1) 履歴書 (様式自由,正面上半身写真貼付,連絡先(住所,電話,メールアドレス)を明記してください.また、ご自身の専門キーワード(3~5個)と、技術者関連資格(お持ちであれば)を記載してください) (2) 研究業績リスト (a) 著書 (編書,翻訳書も含む),(b) 有査読学術雑誌論文,(c) 有査読国際会議論文,(d) 特許,および,(e) その他の5種類に分類の上,最近のものから順にA4用紙に記載(大学等の研究者情報をプリントして上記5種の分類番号を付記する形式も可).H-index, Citation などの情報も歓迎します. (3) 主要論文別刷 (3編程度,コピー可) (4) 教育経験リスト (科目名と授業内容など),ならびに担当可能科目一覧(本学科1,2年次の専門必修科目の中から,担当可能な科目をリストアップし、ご自身の適正に一致する順に番号を付したものを作成してください.) (5) 外部資金(科研費,企業との共同研究,など)獲得状況 (6) 受賞歴・学会・社会活動リスト (7) 教育研究に関する構想 学科ホームページ等を参照し,現在の本学科の専任教員の経歴・研究内容を踏まえて,将来の新しい応用に繋がる基礎的な電気系の教育研究に関する構想をA4 用紙5 枚程度でご提案下さい.本学の強みと教員との共同研究による相乗効果を期待します. (8) 応募者の業績および人物の照会が可能な方2名の氏名・連絡先 [選考内容] 一次選考:書類選考 二次選考:面接および模擬授業(交通費なし) [書類送付先] JREC-IN Portal Webにて電子応募ください. [問い合わせ先] 中央大学理工学部電気電子情報通信工学科 主任 橋本秀紀 E-mail: koubo@elect.chuo-u.ac.jp (E-mail 以外での問い合わせはご遠慮ください.) |
備考 Additional information |
選考の過程で,照会,面接,模擬授業をお願いすることがあります. 今回の公募に含まれる「助教」はJREC-IN Portalの職種分類「准教授・常勤専任講師相当」に該当します. |